事業縮小のため会社をたたみたい

Q:50歳の男性です。私はいくつか会社を経営していますが、事業縮小のため会社のひとつをたたもうと思っています。会社の設立は何度も経験しているのですが、やめる場合の手続きはしたことがありません。どのような流れになるのでしょうか?

A: 会社をたたむには、まず会社を「解散」する必要があります。会社の解散とは、会社の営業活動を終了することです。なお、会社を解散しても、直ちに会社がなくなるわけではありません。会社解散後は清算手続きを行う目的でのみ会社は存続し、清算手続きが完了すれば会社が消滅することになります。自主的に会社をたたむ場合には、主に以下の手続きを経る必要があります。

(1) 株主総会の特別決議
株主総会にて解散する旨の決議します。特別決議とは、発行済株式総数の過半数の株式を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上の多数をもってする決議になります。また、清算人の選任の決議も同時に行うことが一般的です。清算人とは、会社解散後の清算事務を行う人のことでほとんどの会社は取締役が清算人となります。

(2) 解散・清算人選任の登記
解散の日から2週間以内に、法務局で解散及び清算人選任登記を申請します。

(3) 税務署等へ解散の届出
会社を解散したら、税務署、都道府県税事務所、市区町村役場、社会保険事務所、ハローワーク、労働基準監督署などへの届出が必要となります。

(4) 財産目録・貸借対照表の作成
清算人は、就任後遅滞なく会社の財産を調査した上で財産目録及び貸借対照表を作成し、株主総会の承認を得る必要があります。

(5) 債権者保護手続き
清算人は、会社の債権者に対して、2ヶ月を下らない一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、把握している債権者に対しては個別に催告を行います。

(6) 税務署に解散確定申告書を提出
解散日から2ヶ月以内に、事業年度開始日から解散日までの確定申告を行います。

(7) 残余財産の確定、分配
清算人は、売掛金や貸付金などの会社の債権があればこれを取り立てて回収し、買掛金や借入金など会社の未払いの債務を支払います。残余財産が確定すれば、清算人は株主に分配し、清算します。

(8) 税務署へ清算確定申告書を提出
残余財産確定後1ヶ月以内に税務署に清算確定申告を行います。

(9) 決算報告書を作成
清算人は清算事務終了後遅滞なく決算報告書を作成し、株主総会を開催して清算事務報告の承認を得なければなりません。

(10) 清算結了の登記
株主総会で清算事務報告の承認を受けた後2週間以内に、清算結了の登記申請を行う必要があります。
※(5)の債権者保護手続を経る必要があるため、清算結了登記(完全に会社をたたむ登記)は、解散から2ヶ月経過後でないと
受理されません。

(11) 税務署等へ清算結了の届出
税務署、都道府県税事務所、市区町村役場等に清算結了の届出を行います。

会社を設立する場合と比べて、調べれば調べるほど自分には難しすぎるというお客様が多くいらっしゃいます。その際は登記の専門家である司法書士や税務の専門家である税理士等にご相談頂ければと思います。